Last Updated on 2023年11月8日
当サイトのように目的があって定期にテーマの変更を予定していたり、魅力的なテーマが見つかって乗り換えたい場合には通常のメンテナンスより多くの時間を確保して作業にあたる必要があることでしょう。
その際にトラブルを避け新しい環境への移行をスムーズに進めるためには下準備を整えておきたいものです。
今回の記事では、WordPressのテーマ変更をしたいと思い立ったら新テーマの導入とは別に、すませておきたい作業の項目とポイントを次のようにまとめてみました。
テーマ変更のポイント
WordPressで使用しているテーマの変更が決まったら現状の環境で次の点を確認しておくと良いでしょう。
- フィアルとデータベースのバックアップ
- テーマ固有のショートコードのチェック
- 新テーマで使うトップページのデザインを決める
以上の他にもサーバーの設定ページ(コントロールパネル)へのログイン情報、FTPパスワードなどトラブル時の対処に使用することになる設定情報がすぐ分かるよう確認しておくと良いでしょう。
続いて、これらポイント毎の詳細を解説していきます。
画像と設定ファイル、データベースのバックアップ
テーマ変更の作業を進めていく上で、ときに予期せぬトラブルに見舞われることがあります。
ブラウザにサーバーエラーのメッセージが出てサイトが表示されなくなるなど、最悪の事態も自分でシステムを管理しなければならないWordPressでは絶対に回避できるという保証はありません。
こうした、サーバーエラーを引き起こしてしまったとき、元の環境(テーマ変更前の最新状態)に戻すために必要になるバックアップデータが次の種類ものになります。
- 設定ファイルとログイン情報
- アップロードした画像ファイル
- データベース
エラーから回復できずWordPressを構築し直した状態でサイトを復元させるのに必要になるのはwp-config.phpというファイル。
この他にも、子テーマに使っていたスタイルシート(CSSファイル)内の記述やfontawesomeなどアイコンフォントの設定を継続して使いたい場合にはこれらのファイルのバックアップも最新の状態にしておく必要があります。
プラグインを使った定期的なバックアップは勿論のこと、ローカル側にもWordPressのインストールディレクトリごとバックアップしておくことができれば安心です。
もっとも、トラブルの発生で画像ファイルが消えることは希かと思われますが、特に初心者の場合は焦って対応を誤り該当ディレクトリを削除してしまうことも考えられます。
また、データベースのバックアップは通常一個のファイルとして取得可能ですが、そこには公開・未公開のページに関するほぼ全てテキストデータの含まれているのでバックアップデータも慎重に扱う必要があります。
テーマ固有のショートコードのチェック
WordPressのテーマによっては固有のショートコードが使われていることがあります。
記事内へ挿入したボックスやブログカードの生成を目的に使われることが多く、人気の有料テーマでも多用されるのが珍しくありません。
このショートコードはテーマによって互換性がなく、別なテーマを変更したら機能しないと考えて良いでしょう。
実際にはテーマ変更後に、ショートコードを使った部分を手動で手直ししていくことになりますが、その作業量をあらかじめ想定しておくためにも、投稿記事へ使ったショートコードの種類と数を把握して置くことが必要でしょう。
公開されているページ数が多ければ多いほど、全部一気に書き直すというのも困難ですが、書き換えにどれくらいの作業量が伴うのかを把握しておいたほうが良さそうです。
ショートコードの書き換えはテーマ変更における作業で最も負担の大きな物ですので、プラグインを使って一括変更できないかなども検討しておくべきでしょう。
ブログカードなどにショートコードを使っている場合は、テーマを変更する前に事前に標準のブログカードへ変更しておくと良いかも知れません。
また、自分で記述したショートコードでも記述を新しいテーマの子テーマに書き直すなど対処しなければなりません。
新テーマでトップページのデザインを決めておく
トップページを新着一覧ではなくテーマ固有の機能に依存していた場合には、新しいテーマに変更することでデザインが崩れてしまうことがあります。
このトラブルを避けるためには、変更する新しいテーマで使用したいトップページのデザインをテスト環境などを用いてシミュレーションしておくと良いかも知れません。
ただし、昨今主流となっているブロックエディタを使ったページは、テキストエディタを介したコピペと勝手が異なるので事前の検証が必須になってくるでしょう。
テーマの変更にトラブルは付きもの
WordPressでテーマの変更をしたときにありがちなのが、使用しているプラグインと相性が合わずにサイトの表示が乱れたりサーバーエラーが発生した入りといった症状です。
テーマ変更前の準備段階でプラグインの相性まで調べることができれば完璧ですが、ここまで確認するのは結構な負担とも言えそうです。
それでも開発者が提供しているQ&Aサイトなどがあれば事前にチェックしておく程度はしておいたほうが良いでしょう。
トラブル時はプラグインを停止してみる
テーマ変更の作業に入る際には使用中のプラグインを無効にしておくのが基本です。
もし、テーマ変更後に表示の乱れやエラー等が発生した場合には、使っているプラグインを一つずつ順番に停止してみると影響を与えているプラグインが分かることがあります。
WordPressの運用時に遭遇するエラーの原因は多岐にわたるため、テーマ変更時のエラーが必ずしもプラグインが関係するものとは断定できませんが、プラグインの相性が影響することは少なくないためまずは最初に疑ってよい部分と言えるでしょう。
キャッシュ系は無効化で様子を見る
最近の人気テーマでは、高速化など独自のSEO対策を組み込んでいることが少なくありません。
こうしたテーマを導入するときは、キャッシュ系やSEO対策のプラグインは慎重に導入しなければなりません。
これらのプラグインを使いたい場合は他のプラグインが全て問題なく機能することが分かってからにしたほうが、導入の良否の判断がつけやすいことでしょう。
テーマで作成したメタディスクリプションンは引き継がれない
Webサイトを管理運営しているとSEO対策としてメタディスクリプションの記述が重要だという話を耳にする機会が少なくありません。
ところが、人気テーマが提供するエディタへ記述したメタディスクリプションは他のテーマへは自動的に引き継がれません。
もし導入予定のテーマで移行機能が提供されていれば記述内容の引継が可能ですが、基本的にはテーマを変更すればメタディスクリプションは消えてしまうと思ったほうが良いでしょう。
テーマ間の移行が全く無理ではありませんが、データベースを操作しなければならないので上級者向けというかエンジニア向けの対応になります。
当サイトが扱っている標準テーマはもともと投稿ページのエディタ画面にメタディスクリプションを挿入できる機能はなく、編集はプラグインに頼ることになります。
なので、標準テーマから新しい標準テーマへの移行に関しては同じプラグインを継続して使用できればメタディスクリプションは引き継げることになります。
SEO対策でメタディスクリプションは重要と考え、ページのほとんどに設定することは珍しくありませんが、テーマ変更したら引き継がれませんよという情報は不思議なほど話題になりません。
非常に対策が難しい課題ではありますが、今まで着々と積み上げてきた作業の成果をどうするかテーマ変更時には無視できない部分であると言えそうです。